タバコによるCOPDは、そう海の底で苦しみながら生きること ರ_ರ

今、死ぬ。
そう思った経験を、一回だけした。

初めての海外旅行、19歳のグアム。
10,000円払ったオプションで、シュノーケル体験をしたときのことだ。

現地の指導員がペラペラペラと説明して通訳が日本語に訳してくれる、その最後のひと言。
「呼吸だけは自分の責任で行ってください。それだけはプロのダイバーも、手伝ってあげることができません」
指導員はおどけた顔をしていたし、まわりのみんなも笑ったし、ややウケのジョークとしか聞いていなかった。

けれど、事件は起きた。

足からドボン！と海中深く沈んだ瞬間、あっさりレンタルゴーグルがズレて海水がじゃばじゃばと大量に入ってきて、目の前が見えなくなったのだ。予想外の出来事に、ひぃぃぃ！と、呼吸を、、、しようとした。

（今、海の中だよ？）
（今、息を吸ったら、死ぬよ？）
（今は、息を吐くことしかできないよ？）
（えー！じゃどうするの？わたし）
（あー、さっきのは、これか！）

一瞬の間に現状把握⇒改善と対策⇒計画立案のCAP（Check、Act、Plan）がぐるっと回り始め、あとはDo！　実行あるのみ！ᕦ(ಠ_ಠ)ᕤ

息はめちゃ苦しかったが、まずは落ち着くことを自分に言い聞かせ、いったん全身の動きを止めた。ゴーグル内の水は意識の外に追いやり、水面に向かって手足を動かした。ゆっくり、息を吐きながら……。

あのとき、ジョークにしか聞こえなかったアドバイスがなかったら、呼吸は自分の責任で！と、落ち着くことができたかな。危ないところだった。

ところでCOPD（慢性閉塞性肺疾患）。落語家の桂歌丸さんも苦しんだこの病は、タバコで肺に慢性的な炎症が起きて息がしづらくなり、呼吸困難などの症状が出たときにはすでにかなり進行している状態だと聞く。しかも一度発症したら元には戻らない不可逆性の症状だ。

かかったら死ぬまで、海底でゴボゴボと溺れながら生活する、ということだ。生きていることがイコール苦しみとなる。

こ、これは、相当怖い……。

使って4カ月目となる離煙パイプ。洗剤と水で洗って、まだまだ使える。
でもいつか終わりにしなきゃいけない。でなきゃ待っているのは生き地獄だ……。