猫も我慢ってするんだね(✿☉。☉)
最近、「ありがと」ちゃんに大異変が起こった!
びっくりシャックリだ!
ありがとちゃんとは、わたしがこの12年、一緒に暮らしている猫で、飼い始めた当初は少々緊張気味だった。
だって、わたしには「つきこ」というお姫様がいて、これがけっこうなやきもち焼きだった。
ありちゃんと戯れていると、遠くからジトーッと見てくる。
浮気じゃないの、許して姫!と、その後のご機嫌とりがチト大変。
だってつきちゃんは、目も鼻もグッチャグッチャの状態で拾って以来、健康を取り戻すべく、人馬一体ならぬ人猫一体となって努力を重ねた盟友。
拾い猫だって、幼くて可愛いくて健康なら里親探しもできようが、このご面相で貰い手なんぞ見つかるはずもなく、いや、それ以上に、自分のコにする!と決めてしまってからは、すっかりつきこに心を奪われていたしね。
いやいや、グッチャグッチャドロンドロンの猫たちは過去にも常にわたしの心を独り占めにしてきたんだけれども!
片目のつきこ姫に、ちょっとでも生まれてきて良かった!的幸せ感を持って欲しくて、おだてにおだてて甘やかし放題のそんなある日、ありがとちゃんは現れた。
近所の中学生男子が「お宅で飼ってください」と連れてきたのだ。
「は?」と思った。
ぢゃ、オマイにゃ家がないっていうのかぃ?
いや、子猫にではなく、その中学生に、思った。
よく見たらソイツは、評判のワルで不登校チュー坊。試しに「明日から学校に行くなら!」と、君にはできまい!とばかりの条件をつきつけたら、「学校、行きます」と言うではないか。
エーン。
猫がまた増えた。
でもこのコは、……元気だ。とにかく動きがキレッキレで鳴き声もデッカーイ。
これまでの猫たちとは大チガーイ。
子猫とは、健康なら本当はこれくらい活発なものなのね。目から鱗が音を立てて落ちた。
くっっっ。か、可愛いじゃないか!!
あまりの可愛さに出自を疑い、拾得物として警察に届けた。こんな可愛い健康な子猫が、道に落ちているわけがないんだ。
今頃このコのお家では、おチビがおらへん!(なぜか関西弁)と、大変な騒ぎになっているに違いない。
親(?)が申し出て来るまでわたしが預かっておきます~ぅと、数カ月の蜜月を思ってニヤニヤしながら警察から連れて帰って来たが、親なんてものは存在しなかった。
わたしにとって拾ってきて家に置く子猫というものは、人にオススメできないようなのばかりで、常に寝不足と涙と金欠のもと。わたしはただの一度も、健康な猫と気楽に暮らしたことなんかなかった。
こんなに元気で可愛いけれど、チュー坊との約束だから、わたしの手元に置かなきゃね~♪と、さっそく「ありがと」と名付けた。
しかし、来客も皆、「あ、子猫だ!可愛~い!」と駆け寄るのはありちゃんにばかり。わたしまでありちゃんにデレデレしては、片目のつきちゃんが哀れで切ないじゃないか。
折り合いをつけるため、ありちゃんにほんの少~しドライに接し、つきちゃんにはベタベタして、そのコントラストでつきちゃんに愛情を示してきた(不器用)。
つきこ没後7カ月、「あり」ちゃんとわたしは、もはや誰の目も気にすることなくイチャイチャできる。
そして異変だ!
イスに乗ったあと、わたしの体によじ登ってきておんぶや抱っこの態勢に自ら収まる。
わたしの手の甲をトントンして、イイコイイコをおねだりする。
ふとんの中に入ってくる。
つきちゃんがいた20年間、つきことわたしは毎晩、ほっぺを密着させて眠った。
呼んでも来ないから、ありちゃんはふとんに入りたがらない猫だと思ってきた。
でもそうじゃなかった。
だからわたしはもうお風呂上がりの化粧品をやめて、高純度ワセリンのプロペトだけにした。
ありちゃんは寝入るまで、わたしのデコやアゴや手をペロペロするのが好きみたいだからだ。
猫の舌だけに、ちょっと痛いんだけれど、この12年、我慢させたから、この程度はわたしも……。
って! わたし、我慢できるやんけー(なぜか関西弁)。
家に帰るとありちゃんがよじよじ登ってくる…
これがひとしきり終わらないと、何もできんのです